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真夏の夜に、蒲田から浦和まで自転車で行くとこうなる、という話

2019年9月5日

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熱血スパルタ広東語講座!!”へようこそ!!
このカテゴリでは、{広東語講座}と見せかけて、ただ俺(がも)が、ようちゃん(香港人の彼女)にお尻を叩かれたりして終わるだけの、国際カップルの日常を書き残したただの日記です。
申し訳程度の広東語フレーズ紹介を添えて。

8月2日、夜。

真夏の夜の、むせかえるような生暖かい空気を吸い込み、おれは鼻息荒く意気込んでいた。

右手に握りしめるのはママチャリのハンドル

ギイコギイコ、と大げさな音を立てている。


「おれの自転車の旅が、今始まるのだぁぁぁぁぁ!!!!」


7月に引越しをしたおれ。

東京の端、神奈川方面に位置する蒲田から、埼玉県の浦和に来たんだが、自転車を置いてきてしまっていた。

いつまでも向こうの駐輪場に置いておくことも出来ないが、折りたたみではないので電車で運ぶことも難しいし、車で運ぶのはお金がかかる。

こうなったら手段は一つ、

チャリで蒲田から浦和まで漕いで行くぞ!!!!!

そして道中にテレビ局の目に止まって、カメラがついて実況生中継が夜通し行われ、
最終的には満員の観衆がつめかけるさいたまスーパーアリーナで、みんなで合唱する“サライ”のサビも10週目を迎えて、まだか…!?とざわめきたった頃、
ついには右足を引きずりながら会場にたどり着いたおれ、涙で出迎える徳さん、


「大丈夫ですかっ!?」


とタオルをかけてくれるゲストの田中真琴ちゃん


「ありがとう…長く険しい旅だったが、たどり着くことができた。祈ってくれた、みんなのおかげだよ…」


渋く語りかけ、会場からは感動の拍手とファンファーレ、少し照れた顔をする真琴ちゃんににこりと微笑み返すおれ…

そんな展開を計算し、強い意志を持って、蒲田にやってきたのである!!


1月ぶりの元のシェアハウスに我が物顔で上がり込み、新しい住人に古参の先輩風を風速3万キロメートルで吹かせながらチャリを回収したおれ。

行きつけだった中華で腹GOSHLAEを終え、夜9時、ついに蒲田を出発した!!


走りだして最初は好調に鼻歌など歌うのであるが、ただ夜の国道沿いをペダルを漕ぎ続ける孤独な旅である。数十分走ると、いろんなことを考えだしてしまう。




今日の昼間は彼女のようちゃんと映画、「天気の子」を見てきたのだが。

行きの電車の中で、ようちゃんの話を聞いていた。

ようちゃんの出身は香港で、最近、中国が支配の色を濃くする情勢に対するデモで大混乱している。

今や香港政府は中国の手の中で、警察も無防備なデモ隊に発砲したりして、この革命を強制排除しようとやっきになっている。

中国に対して悪態をつくようちゃん。

おれは中国の政府のしていることは良くないが、中国人にもいい人はいる、と的外れな反論をした。

おれが香港のことをないがしろにしていると思われたのか、“政治と国民性”という、国際人権団体の会議みたいなテーマで、言い争いに。



どうして香港の実情を理解してくれないの!



というようちゃんと、



だからといって公の場で特定の国籍で人格否定をするのは良くない!



というおれ。

お互い一歩も引かず、映画を観終わってからもムズムズした気持ちが続いていたのだ。



うーむ。

うんうん、と言ってただ聞いてあげればよかったのか。

しかし、自分の意見をしっかりと伝えることも大切だって思うしな。


“黙っていても伝わるなんて嘘だ”


ってマイヘアイズバッドも歌ってたもん。

でも、クリープハイプは、


”言わなくても伝わると思ってたよ”


って言ってたな…

でも、結局、


“撫でてくれたのは嘘だったんだ”


って言うてたしなぁ…
うーん…

そんなで、恋の悩みの相談相手がマイヘアイズバッドとクリープハイプだけの、陰湿ロック中年のおれは、悶々とした頭で今日あったことを考えながら、夜の国道を時速3千マカロンのスピードでかけていった。




1時間ほどして、道端のコンビニで飲み物を買ってひと休み。

全く知らない街だけれど、道を挟んで目の前に神社があって、お祭りなのかな?赤い提灯が続いている。

もう10時を過ぎているので、人通りはそんなにないが、自分の知らない世界で、今日も誰かの日常が繰り広げられていると思うとおもしろい。

そんな風景を、段差に腰掛けて見ていた。

ら、近所の夜の散歩のおばさん達に汚物を見るような目で見られたので、ジュースを一気に飲んで、いざ再出発!!

自由が丘を超え、世田谷区に入った!

夜の大きな公園は、まるで出口のない森林の様。



夜が深くなっていくほど、夜道ですれ違う人達の行動を観察するのが面白くなっていく。

大声で歌いながらバイクでかけていくにいちゃんや(しかも熱唱していた歌が偶然マイヘアだった)、高架下のコートで半裸で1人バスケの練習をするにいちゃん、スケボーのにいちゃん達の集会など、


「夜が更けていくほどに、若者は殻を脱ぎ捨てて、無邪気だったあの頃を取り戻すのかもしれないな…夜はまるで心のタイムマシーンか…」


などと詩的な事を想うフリをしながら、



あぁ退屈だな。
夜のお散歩中の真琴ちゃんとか、いないかな…それで、酔っ払いに絡まれだして、おれが

「やめないか!彼女は嫌がってるじゃないか!」

と颯爽と現れて、それで…


などと妄想を繰り返しながら、


こんな妄想を後で間違ってもブログに書いたりしないよう気をつけなきゃ…
今ようちゃん(彼女)に見つかったら、火に油、いや、火にダイナマイトだ…


と身震いをしたりしながら、未来の俺がこのことをブログに書かないよう厳重に注意を呼びかけながら、ひたすらにペダルをこぎ続けた。



いやしかし、夜のサイクリングで、活発な若者の生活が垣間見えたのは良いが、ヤバそうなのも目撃した!

自由が丘付近の環状8号線沿いを走っていた時。


突如、歩道のど真ん中に人が倒れているのが見えた!


え!やばい!急病人か!??


と恐る恐る近づくと、どうやらそれはおばあさんで、倒れているのではなく、膝をついてうつ伏せになり、手を合わせ、建物の方に向けて何かつぶやきながら祈っているのだとわかった…

まるでそれはアラブの国を旅した時に見た、イスラム教徒のお祈りのようであった。


(え?も、もしかしてイスラム教徒のおばあさんなんかな?こんな時間にお祈り?って事はここはモスクなのか?)


と、近づいて見てみるが、真横の建物、祈っている方向にあるのは、モスクでもお寺でも無く、ただのアウディの販売店

なんだ!?彼女はアウディの熱狂的信者なのか!??


ま、まさか、その昔、フォルクスワーゲンの悪政から逃れるために多摩川を渡り川崎の国へ亡命を目指した群衆達を助けるため、アウディの神が川を二つに分ける道をかけ、開放へと導いたというのかっ!!??)


訳もわからず横を慎重に通り過ぎようとすると、そのおばあさんは突然、むくっ!と起き上がり、何事もないように歩き出した。

い、一体何事なのだ…。

(やばー…夜の街にはヤバい人もいるもんだな…怖いな…

まぁ、こんな怪しげな光景に出会えるのも、夜のサイクリングの醍醐味というところか…)


そんな事を考えながらこぎ続けること3時間!

世田谷区の荻窪についた。



近くに小さな公園を見つけ、自転車を止めた。

水道があったので汗ばんだ顔や足を洗い、テンションが上がってきて半裸になって頭から水をかぶっていると、離れた所の滑り台に座っていたカップルが、


「やばー…夜の公園にはヤバい人もいるんだね…!怖いね、タッくん!」


「まぁ、こんな怪しげな光景に出会えるのも、夜のお散歩の醍醐味というところだよ。」


「うんっ!そうだねっ!」



「そんなことより、早く家に帰ってセックスしようか。」



「うんっ!そうだねっ!」

みたいな話をしているであろう冷めた視線をおれに突き刺しながら、そそくさと去っていった。

くそう!!いくらおれが野良犬みたいな見た目だからといって、そんなこと言うなんて、なんて心無いやつらだ!!


まぁしかし、日本の公園はどこもこうして水道が付いていて便利だな。

ヨーロッパで旅をしていた時も、お金がなさすぎて野宿していた時はこうして水道を探して髪を洗ったりしていたが、なかなかフリーで使える水道がある公園というのは少ないのだ。

日本の治安の良さがこういったところに現れているな。

そんなことを考えながら水分補給をし、休んでいたが、大量の蚊に蹂躙され、疲れを取る間も無く再出発!


だれな!こんなところで立ちションしたやつは!!


夜の高架下って雰囲気あって好き。


荻久保からは、練馬板橋を超えていったんだが、この辺がもうマジでウルトラしんどかった。

やたら坂が多い!!!

桜の木が並ぶ坂道を、チャリを押して歩いた。

もうしんどすぎて、


君よずっと幸せに~あんちゃん!


とモノマネをする余裕もなければ、

さっき酔っ払いに絡まれていた真琴ちゃんを家まで送って行くこととなり、2人で自転車を押しながら坂道を歩いて登る妄想も…



「ぼっちさんごめんなさい、家まで送ってなんてお願いしてしまって。こんな坂道、たいへんですよね?」


「なぁに、僕は毎朝、日課でジムのランニングマシーンで10キロを走っているやつと友達なんだ。これくらい、余裕だよ。
それにこの木は桜かい?夜の並木道を散歩するのもいい気持ちだよ。」



「そうなんです!春はここの桜がとっても綺麗なんです。」


「そうか。春にまた、来てみようかな。」


「ぜひっ!!よかったら、一緒に桜見ましょ…


あ、やだ!私ったら、初めてあった人なのに、
まるで、  その、
次のデートの約束をこじつけるみたいで、バカらしいですねっ!」



「え、そうかな?」


「えっ!?」


「僕は会いたいな。君と…その…次の春も。その次も…」


「……。」




照れたようにうつむく真琴。

桜木の隙間から街灯が照らし、2人の影が長く伸びている。

高鳴る鼓動をこらえきれず、照れ隠しで


「いやぁ結構きつくなってきなぁあ!」


とふざけた声を上げると、


「頑張ってくださいっ!?ランニングマシーンのお友達がいるんでしょっ!?」


と、真琴も笑う。


滴る汗も、生ぬるい風も、なぜか今は心地よく感じている。


2人の姿をはやし立てるように、木々の奥からはスズムシとカエルの合唱が聞こえていた…




というところまでしか妄想できずにいた!!!



ひぃぃぃきついぃぃぃぃ!!!!


そんなで、登りきった後に急な下り坂になり、どうやらただ丘を登っただけで、無理して坂を上らずとも別のルートで平坦な道があったことに発狂したりしながら、ついには、

あ、荒川だ!!!!!


東京と埼玉を南北に分断するこの川。

埼玉での生活に耐えきれず、東京を目指して夜な夜なこの川を渡る若者を、東京側の警備隊は

「この田舎者!」



の言葉のマシンガンで撃ち、多くの者達がその希望を打ち砕かれ、その身を川底に沈めたことで有名な、悲劇の大河である。

ここまでの東京の未来的な交通網とビル群、安心安全な夜の旅もここで終わり。

この川の向こうは、ギャング達に支配され、心を無くした若者達がドラッグを求めてさまよい野犬が老婆の死肉をくわえて彷徨う、埼玉の世界が待っている!!


「き、君!何をやっている!!そっちは埼玉だぞ!??」


橋を渡ろうとするおれを制止しようと、国家警備員がおれを引き止める。


「警備員さん。行かせてください。…帰らなきゃいけない場所が、あるんでね…。」

「くっ…どうなってもしらんぞ…!」


重く閉ざされていた鉄格子が開けられ、おれはゆっくり、ゆっくりと橋を渡り始めた。

ただ伸びる一本の橋を進んでいく。


真っ黒な川を見下ろす。


横たわる巨大な生物のように不気味で、また力強かった。


橋を渡り終えるか、というところで、3人の不良グループっぽいやつらが、橋桁の上に座って、根性試しみたいなことをやって盛り上がっていた。

橋から、下の川までは、あべのハルカス三本分ほどの高さがある。


「君たち!危ないじゃないか!命を粗末にするんじゃない!」


と、心の中で声を上げながら、おれは震える足にムチを打って絶対に目を合わさないように通り過ぎた。

言えるかっ!!

あいつらに口答えなんてしてしまったら、きっと全裸にされて足にロープをつけて逆さ吊りにされて、


あいつ香川県出身らしいぜ!?この田舎者!」

「ウケる!ダシ臭いんだけど!www」



と投石される様をツイッターで拡散されて、変な音楽つけてTikTokに編集されるに違いない!!

くそうっ!!
なんでいつもおればっかり!!!!

そんなで、永遠の天敵不良ボーイズたちと静かな別れを告げ、おれはまたひたすらに荒野の道を走り続けた!!

やばい!!!お尻が!!!おれのぷりぷりでコラーゲンたっぷりなお尻ちゃんが!!

まるで表面にサンショウを塗りたくったようにしびれている!!

自転車に6時間乗ってると、お尻の感覚がなくなる!!タモリさんこれはトリビアの種になりませんかね!!??

ひぃぃぃぃん!!!!


そこからさらに1時間ほど走り、つ、ついに完走!!!!!

深夜2時だったが、ようちゃんが起きて待っていてくれた。


「おかえり。どうせ田中真琴とデートする妄想とかしていたんでしょ。」

「いえ!!!決して2人で丘の上を自転車で目指したりなどしてはいません!」

あきれながら、お茶をいれてくれた。

さっきは喧嘩してごめんなさい、と言った。

ほんとだよ!とお尻を叩かれ、断末魔のような声が浦和の夜の街に響いた。 

 そんなところです。

本日の広東語フレーズ
「東京から埼玉まで自転車で行く」

我由東京ンゴヤオトンゲン踩單車去琦玉 ツァイダンツェーホユイケイヨッ

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